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  • ティラノサウルスの進化に疑問を投げかける発見

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    ニューヨーク・タイムズによると、従来のティラノサウルスの進化に関する定説を覆すような発見が、中国東北部でなされたという。

    Fossil Find Challenges Theories on T. Rex
    http://www.nytimes.com/2009/09/18/science/18dinosaur.html?_r=1&hp

    記事によると、この恐竜は ‘Raptorex kriegsteini” と名付けられ、1億2千5百万年前に生息していたらしい。体長は2.7メートル、体重は 150 パウンドというから、70kg もないくらいである。日本語では、「ラプトレックス」とでも呼ばれるのだろうか。

    特筆すべきは、ラプトレックスが小型ティラノサウルスとでも言うべき、ティラノサウルスの特徴を全て小さいままにもっているということである。すなわち、大きな頭、小さな前脚、強力なあご、長い脚といった特徴が、小さいままに備わっている。従来は、ティラノサウルスのこうした特徴は、種が巨大化するにつれて進化してきたものと考えられてきており、この説に従えば、古い年代のティラノサウルスの祖先がこうした特徴をそのまま兼ね備えているというのは考えづらかった。ところが、今こうしてほぼ完璧に近い一体が丸ごとでてきて、しかも小さいながらもそうしたティラノサウルスの特徴を全て持っているというので、衝撃的だと言うことになる。

    研究者によっては、既に見つかっている原始的なティラノサウルスが持っていた、長い前脚と短めの後ろ脚が、徐々に進化していき、後のティラノサウルスになるという過程からすれば、ラプトレックスがその中間に当たるのではという見方をしている。もしこれが正しいとすれば、今後は、ラプトレックスとティラノサウルスの間に位置するような化石が、1億年前から白亜紀後期の間の地層から出てきてほしいものである。

    それにしても、こういう発見があるたびに、考古学というのはある意味ばくちみたいなところがあると思う。もちろん事前の調査によって、ある程度のあたり付けはするのであろうが、化石が見つかるかどうかはほってみないとわからないという時点で、ばくちみたいである。さらに見つかった化石が従来の学説に当てはまらないようなものだとすると、その学説を唱えた研究者たちが見方を変えなくてはならなくなる。そうすると、自分の学説を打ち立てること自体がばくち的にも見える。

    もっとも、科学の研究というのは、どこでも似たような要素があって、実験をやって成功して何か新しい発見ができるかどうかというのはばくち的だし、自分が建てた理論が世に認められるかどうかというのもある程度は運に左右されるということもある。中には、名誉ある賞をいただけるかもしれないのに、日の目を見ることなくなくなられる方もおられる訳で、そういう事情は考古学に限らず、どこの世界でも見られることかもしれない。