村上春樹氏による、1Q84を3冊読み終えました。読んでいる間にいろいろと思うところがあったので、つらつらと書いてみたいと思います。
物語の所々に、1984年に起きた出来事が紹介されていますが、一方でこの本ならではの事象も出てきます。村上春樹氏は実際の出来事も架空の出来事もどちらも詳細な描写で、巧みに記述しているので、読んでいるうちに現実とフィクションとの境界がいつのまにかおぼろげになっていきます。そうしていつの間にか、主人公と読者が、この小説で特徴的な、月が二つ出ている世界に入り込んでいきますが、他の全ての記述はあたかも事実を語るかのごとく、きわめて精巧な描写がなされているので、現実と架空の差がわずかしか感じられない、少し不思議な感覚にみまわれます。そういう意味では、藤子F先生の SF (少し不思議) の世界に通じるところがあります。すなわち、日常生活からちょっと変わった、少し不思議な世界が、マンガと小説という違いはあるにせよ、どちらも共通した世界感を描いていると感じられます。
と思っていたら、著者が実際にそのことを語っておられます。
米同時テロ動機に「1Q84」執筆…村上春樹氏
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20100824-OYT1T00135.htm
特に、氏が述べられている
平凡な主人公が非日常的な出来事に巻き込まれる物語が多い
という部分は、まさに藤子F先生の描く世界と共通するところで、平凡な主人公の日常に、ネコ型ロボットが突然やってきたり、オバケが現れたり、エスパーを駆使する人が現れたりしています。そんなことからか、今回始めて村上春樹氏の作品を読んだのですが、違和感なくすんなりと読めました。
また、この作品の中で、自分にとってなじみの深い地名が出てきたことで、ますます親近感が沸いてきました。世田谷で生まれ、市川市の公立小学校に4年生まで通っていて、祖母が一時期高円寺に住んでいて、よく訪れたこともあり、描かれる世界に親しみがわきました。
さて、自分自身の過ごした1984年と言えば、ちょうど洋楽を聴き始めたころであり またロサンゼルスオリンピックが行われた年ということもあり、アメリカを強烈に意識した年でした。強いアメリカの復活を訴えたレーガン大統領が再選したのもこの年ですし、スペースシャトルの打ち上げが順調に行われていたのもこのころでした。小学生から中学生に上がり、英語が授業で行われるようになったこともあり、FEN を聞き始めたのもこの頃からでした。
1984年当時よく聞いた曲がなつかしくなり、この本を読んでいる間によく BGM として聞きました。以下アルバムを並べておきます。
1984 – Van Halen
Overnight Success – Teri DeSario with Joey Carbone & Richie Zito
Chicago 17 – Chicago
Colour By Numbers – Culture Club
Caught in the Act (Live) – Styx
99 Luftballons – Nena



