アメリカの家庭では、ケーブルテレビなどを受信するためのセットトップボックスが、冷蔵庫を抜いて、家庭の中で一番電力を消費する電化製品になっているようです。
Atop TV Sets, a Power Drain That Runs Nonstop
http://www.nytimes.com/2011/06/26/us/26cable.html?_r=1
こうしたセットトップボックスは、もともとは本来のチューナーとしての機能しかついていませんでしたが、徐々に高機能化し、やがてハードディスクや DVD もつくようになり、それに伴い消費電力が上がるようになっています。自分も2003年にアメリカに行った時は、セットトップボックスについている機能はチューナーしかありませんでしたが、2009年に帰国する際には、やはり高機能化していて、ハードディスクがつき、録画できるようになっていました。
このハードディスクつき録画機能がくせもので、実質パソコンと同じような振る舞いをします。そのため一度スリープモードにしてしまうとそこから立ち上がるのに時間がかかるため、メーカー側は「消費者が待ちきれない」として、スリープモードにさせないようにするため、常にフル稼働の状態が24時間続き、そのために消費電力が上がってしまうということです。
ヨーロッパでは、消費電力を抑えるべく、スリープモードを備えるような規制が敷かれているのですが、アメリカではそうした動きもなく、上記のような事情により、メーカー側もケーブルテレビ業者側もとくに消費電力を抑える動きは見せていないようです。
日本でもこの議論はあるていど当てはまるかもしれません。考えてみればケーブルテレビ業者からのセットトップボックスはよく見るとアメリカのモトローラ製だったりしますし、最近はこれ以外にもテレビにハードディスクを備えていたりします。特に、来月に迫った地上波デジタル放送への移行により、旧来のアナログテレビからより大型でただでさえ消費電力が大きい大画面液晶やプラズマに移行が進み、これに伴い家庭での消費電力が上がることが予想されます。したがって、政府としてこの夏の節電を徹底したいのなら、あえて地上波デジタル放送への移行をこのタイミングで行わず、延期するという手もあるかもしれません。
もっとも、現在アナログとデジタルの二つの設備のためにかえって余分に電力を消費しているということであれば、アナログをきっぱりやめてしまうということも効果的でしょう。そういうことを考えると、地上波デジタル放送以降に伴う、家庭の消費電力の変化がどうなるかについての調査が出ていないのは大変気になるところです。



