9月30日
アムステルダムから夜の8時半にニースに飛び立ち、ニース空港に到着後、預けた荷物を拾ってレンタカー屋に行き、予約してあったレンタカーに乗り、ホテルに着いたのは11時半ごろだった。ホテルにはありがたいことに湯船があるので、しばらく浸かった後で寝た。

起床後窓を開けると、南フランスのまばゆい太陽光に照らされた緑の広がる様子が目に入ってきて気分が高まった。遠くに山が連なるのが見える。なんとなくシリコンバレーに通じるものがある。そういえばこのあたりはフランスのシリコンバレーと呼ばれるところで、気候がよいところに新興企業やハイテク企業を誘致するという作戦は日本も真似するべきだと思う。
身支度を整え、近くのスーパーに行き、食材を調達しに行った。前回ホテルに泊まった時は、高い割にはあまりいい朝食が出なかったことを記憶しているので、自分で食べられるものを買い求めた。
さてレジに行くとレジのところに誰もいない。自分で会計を済ませるレーンだけがあいている。ここに行くと、遠くでこのレーンを見張っている人が何やらフランス語で話しかけてくるが、何のことかさっぱりわからない。一生懸命話しているのを聞いていると、どうやらフルーツは置いてあったところで重さを量り、それに応じた値段を記したシールを張って持ってこなければならなかったようだ。しょうがないので、フルーツだけは後で会計することにして、先にそれ以外のものを処理することにした。まったくフランス語の不勉強を痛切に感じる。その後近くにいる英語の話せる人の助けを借りて、どうにか買い物を済ませた。
昼食はフランスのここでの同僚たちと一緒に近くのレストランでとることにした。結構みんなきっちりコース料理を頼んでいた。自分は昼間っからそんなに食べると、特に時差ぼけの影響がまだあるこのときは眠くなってしまうと考え、フルコースにはしないことにした。

食後デザートを進められ、朝食をたくさん食べたので、デザートはいらないというと、フランス語には、 etre gourmand という表現があるということを教わった。英語で訳すと、gourmand は greedy すなわち貪欲なという意味になるので、あまりよくない感じがするが、フランス語では日本語のまさに「べつばら」のコンテキストで使われるので、日本語には「別腹」に訳すべきなのだろう。実際に、日本語では、英語に直訳すると “another stomach” という表現を使うという風に説明すると、同僚たちは納得していた。

同僚の一人はフランス料理の名物であるタルトタタンを食べていた。これはタタン姉妹が経営しているレストランで、キャロライン・タタンがお客さんと話し込んでいる間にデザートを作る時間が限られてきて、焦ってリンゴの皮をむいた状態にあったものを利用して砂糖とともに鍋に入れて熱し、その後タルト生地を入れるという順番で調理したのだが、これが客にバカ受けし、以後急速にその地方のみならずフランス全土に広まったというデザートである。

さすがにこれを食べる気が起きなかったのだが、小さなデザートを集めたメニューもあるよと教えてくれたので、これを注文することにした。どれもこれもちょっと甘すぎる気がしたが、おいしかった。特にエスプレッソとともに食べるとちょうどよい。
仕事を終えた後、同僚に勧められてカルフールに行ってみた。売り場がとてつもなく大きく、端から向こうの端が見えないほどである。安いのはよいのだが、質もあまりよくなさそうなものもあるので注意が要りそうである。感覚としては、アメリカでの Walmart と Target の間の様な感じだろうか。

夕食をどこで食べるか考えながら地図を眺めてみると、ちかくに O’ Sushi という店があるのを発見した。「おすし」というのは面白いと思っていってみると、プラスティックのパッケージに入った寿司が売られている。ネタも許せる程度の新鮮さを保っているようであるので、10ユーロのパッケージを食べてみることにした。味は悪くない。シャリも一応ちゃんとしている。さっきカルフールで米がないかと探してみたら、タイ米が置いてあるだけだったが、このシャリは一応カリフォルニア米みたいな歯ごたえがある。このあたりにもすし用に使えるようなコメが流通しているということだろうか。
駐車場に行き、車のエンジンをかけようとしたらかからなくなっていた。なんだこれはとおもって何回か試してみたがだめである。レンタカー会社に電話して、修理の人を呼んでみた。一時間くらいでくるという。そこでしばらく待ってみたが、一時間たっても何も来ない。ひょっとしてと思って試しにエンジンをかけてみると、今度はかかった。とりあえずかかっているうちに移動してホテルまで行ってしまおうと考え、移動した。だが、ホテルについてからもう一度エンジンをかけようとすると、かからなかった。やはり何かがおかしい。
そうこうするうちに電話が鳴った。さっきの場所に修理の人が行ってみたら誰もいないではないかと言っていた。誰も来ないので試しにエンジンをかけたらかかったので、とりあえずホテルまで来てみた。しかしまだエンジンがおかしいというと、ここまで来てくれるということだった。時差ボケと夜になっているということで眠くなって朦朧としながらしばらく待ってみると電話がかかり、何やらフランス語でしゃべってくる音が聞こえる。英語は通じるかと聞いてみても全く駄目である。駐車場の外からピッピーと音がするので、そっちのほうに歩いて行ってみると修理の車のようなものがきている。その車を自分の乗っていた車まで寄せてもらい、見てもらうことにした。
なんのことはない。ギヤシフトがきちんとニュートラルに位置していることを確かめて、しっかりとブレーキペダルを踏みながら鍵を回してプラグを点火すると、ちゃんとエンジンがかかった。これはおかしいと思って自分でもやってみると、なんだかタイミング的に遅延が発生しているような気がするものの、一応エンジンはかかる。ひとまず来てくれた修理の人たちには礼を言って、帰ってもらったが、どうも釈然としない。そのあとで何回か試してみると、一応エンジンはかかるのだがタイミング的に怪しい。自分の操作の仕方が悪いこともあるのだろうが、車のエンジン自体も何となくおかしい。明日レンタカー屋に行って変えてもらうことにした。