すっかり世代交代が行われていることを象徴するかのような試合だった。昔からおなじみの選手である、中村俊輔は出ず、稲本は出場していたがきらりと光るプレイが特にあったわけでもなかった。後半になって、選手交替が進むにつれて、展開が面白くなってきた。中村憲剛がボランチでいい展開を見せていたし、今野の左サイドでのあがりもよかった。シュートを決めた本田も一本目のフリーキックはすばらしかったし、動きもよかった。
今回、森本のデビュー戦ということで初めて彼のプレイを見たのだが、非常に期待の持てる選手だと感じた。15歳でJリーグデビューという史上最年少記録を打ち立ててから、だいぶ時間が経っている気もするが、その間に十分に経験とトレーニングを積んできたのだろう。ゴール前で落ち着いてトラップして、180度反転してシュートするプレイは従来の日本人選手には見られなかった芸当で、そのボールタッチの柔らかさと冷静さは代表初プレイとは思えないくらいだった。さすがに世界最高峰のリーグで活躍するだけのことはある。
Jリーグができたおかげで、クラブチームのジュニアチームの活動が充実してきて、有能な選手が中学や高校の部活に所属するよりも、そういったクラブに所属することが多くなった。そのため、以前なら、高校サッカーで全国デビューして、名を知られるようになり、プロデビューするというのが多いパターンだったが、今では高校サッカー出身の代表選手が相対的に少なくなってきている。セルジオ越後氏は毎年高校サッカーがつまらなくなっていると嘆いているが、それは当然のことだろう。むしろ、有能な選手が若い頃から専門的な指導者と環境が整ったクラブチームに所属し、個人技術や戦術や考え方などを学んでいく方が、日本のサッカー界の底上げには望ましい。稲本選手や森本選手はそのもっとも成功した例ではないかと思う。



