今回滞在した Staybridge は、Holiday Inn 系列の宿であるが、Holiday Inn と違ってとても居心地がよい。各部屋にはキッチンスペースと居間スペースがあり、どちらかといえば長期滞在者がしばらくここですめるような配慮になっているようだ。朝食も充実しており、通常のホテルで出てくる Continental でおなじみのパンやコーンフレーク、ワッフルや果物といった定番、ちょっとサービスのいいところで出てくるベーコンとスクランブルエッグ、さらにはオートミールのおかゆがあり、ここ Torrance では、ご飯とインスタントのみそ汁まで出てくれる。さすがに土曜日の朝ということで、人々が多く、ご飯は早くも切れていたが、オートミールのおかゆをおいしくいただけた。
朝食後、Gardena にある、BOOK OFF ロサンゼルス店に向かった。年末のセール中ということで、$20 で、一割引、$50 買うと二割引ということで、70ドル分くらいの書籍をまとめて買っておいた。
ここの敷地にある、Marukai にも立ち寄ってみた。品揃えが豊富で、ミツワよりも充実しているようで、ほとんど日本のスーパーと変わらないといっても過言ではない。さらにフードコートがこれまた充実しており、たいやきが売られているのには感動した。思わず夫婦で飛びついてしまった。
昼食はさぬきの里にて、自分はざるそばを、妻はうどんを食べた。実はサンフランシスコベイエリアにはおいしいそば屋さんがなくて困っているのだが、このさぬきの里のそばは結構おいしく、久しぶりに食べたざるそばとそば湯により、ちょっとした充実感を味わえた。
今回の旅行の目的の一つである、J. Paul Getty Museum にいく途中で、UCLA に立ち寄った。このキャンパスはいつ来ても美しく、カリフォルニアならではの輝きを持っている気がする。これまでカリフォルニア州内のいくつかの大学キャンパスを訪れたが、一番カリフォルニアっぽい味わいを持つのが UCLA だとおもう。なんといっても太陽の光線が、オレンジと赤とピンクとクリーム色のレンガを基調として組み上げられた建物に実にいい具合に輝きを与えている。そんな建物が、青々とした芝生の上にちょうど良い間隔で並んでいるのが印象的である。自分が一年間交換留学生として滞在していたときは、看板である Royce Hall や Powell Library は耐震工事中で(皮肉にもこの工事中に Northridge の大地震に見舞われたが)サウスキャンパスの医学部のあたりもやたらと工事していた。今訪れるとそれらの工事はすべて終了していて、新しい建物も古い建物も実によく調和して建てられている。もっとも、いつ何時ここを訪れても工事は耐えなくて、今回は警察署の建物を建て替えていた。
キャンパスの北側から、Sunset Boulevard を経て、Getty Center に向かった。駐車場に入るのにやたらと時間がかかり、日が暮れるのではないかとやきもきしたが、なんとか間に合って、美しい夕暮れを堪能することができた。サンタモニカの海岸の向こうに、真っ赤に燃える炎のような光が辺りを照らし、そこから東の空に向かってオレンジ、紫、青、濃紺というようにグラデーションしていく空の色が、これまた非常に美しい。そんな幻想的な光に照らされる美術館の建物もこれまた非常に幻想的で美しかった。
中の展示物がこれまた半端ではない。時間の都合上、南館だけしかみられなかったが、ここだけで、17世紀から19世紀にかけてのオランダ、フランス、ドイツの絵画や彫刻を堪能できる。特に印象的だったのが、レンブラントの作品で、ここでもやはり彼の光の使い方は秀逸であると感じた。
南館を歩いて回るだけでつかれたので、美術館鑑賞はこれでやめることにした。ほかにもいくつか建物があり、とてもではないが一度に全部は見切れない。こんなすばらしい美術館を無料で見せてくれることに対して、J. Paul Getty 氏に対して大変ありがたい思いがしたので、ここに感謝の意を表しておく。
美術鑑賞の後は、ニューヨーク・タイムズでも取り上げられ、以前ブログでも取り上げたメイドカフェに向かった。このカフェ、Culver City 内にあるのだが、どうも年末のホリデーシーズンにいったからなのか、それとも元々へんぴなところにあるからなのか、よくわからないが、自分たちが入ったときは客が誰一人としていなかった。中に入ってしばらく呆然とたたずんでいると、やがて厨房の方からオーナーとおぼしき女性が現れて、メニューを渡してくれた。ほどなくして、メイド姿のウェイトレスの女性も現れた。
日本でもメイドカフェに行ったことがなかったので、本場がどうなっているのかは何ともいえない。しかしこのカフェに関していえば、何かこうぎこちないものを感じた。どちらかといえば、工業的な感じのする通りに、これまた元は倉庫ではないかと思うようなれんが造りの建物の中に、現代アート的な作品がでかでかと展示されている。天井にはフレームや配管がむき出しで、地面はコンクリートむき出しである。そんな室内のかなり大きなスペースの半分以上はこうしたアート作品や、日本で撮ったメイドの写真、その他日本のオタクっぽいグッズがおかれている。喫茶スペースも広々としているのだが、周りのアート作品のせいか、なんとなく追いやられたような気がしないでもない。
出されたロイヤルミルクティーと前菜はそれなりにおいしかった。日本で出せるようなレベルを目指したというオーナーの意気込みが伝わってくるようだった。だが、なんとなくこのおいしさが周りの無機質な雰囲気とアートのせいで、あまりおいしくいただけなかった。妻などは寒々として気味が悪いといい始める始末だった。
率直にいえば、ぎくしゃくした空間というのが、このカフェの印象である。もう一度いきたいかといえば、もし好奇心のある人を連れて行くという場面だったらいいと思うが、自分から積極的に行こうという気にはなれない。いっそのこと、バーや、パーティー会場にしてしまった方が、大きな空間とアート作品が活きてくるのではと思った。どうもあの空間にメイドは似合わない気がした。
そんな寒々とした空間にいると、身も心も寒くなる気がしたので、Torrance 市内にある 24 Hour Fitness にはいり、ジャグジーで体を温めてから、宿に戻り、眠ることにした。