時差ぼけのせいか,あまり良く眠れなかった.途中何度も目が覚めた.たしか今日から冬時間に戻るので,1時間多く眠れるはずだが,たいして良く眠れなかった.朝食をとり,ホテルを出て散歩してみると,以外とホテルの建物がきれいなことがわかった.ホテルのあるSindelfingenは,小さいがいろいろなお店があり,可愛らしい街である.教会や広場,目印となる建物やサインを確認し,いったんホテルに戻った.
ひとまずホテルから会社に向かう経路だけは確かめたい.フロントデスクで地図をもらい,会社の方に向かった.たしかに当初の方角はあっていたが,その後道路があっちに曲がったりこっちに曲がったりするために,どこを走っているのかわからなくなる.気が付いたらStuttgartいきのアウトバーンに向かう道に入っていた.予定を変えて,Stuttgartの空港か街にでも出るかと考えた.フロントデスクでマネージャーに聞いたところによると,それらが今日日曜日に唯一店を開いている場所であるという.前回ドイツに来たときも思い知らされたが,今回もその不便さをつくづく感じた.
81号線からミュンヘン行きの8号線にのり,そのままいくが,途中で空港のマークが消えてしまった.いつのまにか通りすぎてしまったようである.もう一度もときた方向へ引き返すが,やはりサインがない.そのまま81号線に戻り,24番目の出口から出て,会社に向かうことにした.当初,この出口のすぐ近くにオフィスの建物があるかと考えていたがいっこうに見つからない.よく地図をみるともうちょっと南の方に行かなければ行けない.IBMやChryslerなどの会社の建物を横目にみながらHerrenburger Strasseにむかうと,ようやく目指していた建物と見慣れたロゴマークが見えてきた.ためしに入ってみるが,こやしくさい.目の前に広がる牧場で牛か馬か何かが飼われているようである.とりあえずVisitor用の駐車場に車を止め,一般従業員向けのゲートで自分のIDカードをカードリーダーにかざしてみたが,反応しない.どうやらちゃんと手続きしないと行けないらしい.自分が明日向かうBuilding 2をたしかめ,戻ることにした.
さて今度は戻るのに一苦労である.Calwer StrasseとBachstrasseの交差点がわからず,散々遠回りしてようやくさっき散歩した道が見えてきたときにはほっとした.
ホテルにかえってきたものの,やることがない.そこで昼食をとるためにもう一度Stuttgartの空港と街に行ってみることにした.もう一度さっきの道をとって,注意しながら8号線を走ると,Flugfahenという単語が見えた.たしかFlugは飛ぶことに関する単語である.ためしにここで降りてみると,降りたあとから空港のマークがあることに気づいた.さっきここを通ったときは,アウトバーンで走れることに気を良くして,170kmくらいまでスピードを出していたので,気づかなかったのかも知れない.
空港に来ては見たものの,やはり駐車料金が取られそうである.たとえわずかでももったいないので,Stuttgartの街の方に向かうことにした.適当なところでアウトバーンを降り,そのまま走っていると,たしかに街らしいところに出た.Singelfingenと違い,ここは都会である.しかしどこもかしこも店はしまっている.これならここに来てもホテルのまわりでも,同じだろうと考え,引き返すことにした.
それにしてもドイツの道路を走るのは気持がいい.秋も深まり,丁度いい具合いに森林が赤,黄色,橙,茶の色を付けている.日本のようにうるさい広告や案内表示もない.アウトバーンは速度制限のあるところもあるが,好きなだけ速度をだせる.道は曲がりくねっていてかなりわかりにくいが,それでも余分な道をまわってもたのしいくらいである.
地図をみながらホテルへの道を探していると,Citibankが近くにあることがわかった.昼飯を食べに来る前に,ここに立ち寄って,自分のカードが使えることを確認した.
昼食から帰ってきたものの,まだ4時である.何かやることはないかと考え,ふと風呂に入りたくなった.Mineraltherme Boeblingenというところがどうも温泉くさい.ここにいってみようとおもいたち,再びドライブに向かった.途中で降りるタイミングを2回見失い,Stuttgart空港側から二回目に戻るときにようやくたどりつけた.27マルクを払うと一日すべてが利用できる.
脱衣所は男女の別れがない.まず個別の脱衣所にはいり,そこで服を脱ぎ水着に着替えたあと,プールへと向かう小通路に出る.ここにロッカーがある.ロッカーには入るときに使ったカードを扉に差し込まないと鍵がかからないということを掃除の人に尋ねてようやくわかった.どの風呂もぬるめである.温水プールくらいの温度である.最高でも36度であり,熱いお湯になれた日本人にはいずれにせよぬるい.案内のパンフレットにはサウナもあったので,ここにもいってみることにする.日本にいるときに聞いた話によると,ここは男女共同で素っ裸ではいるらしい.いってみると,たしかにみんな老若男女素っ裸である.一応タオルで前を隠す人が大半だが,中には堂々と前を開けて歩く人もいる.しばらくみんなの様子を眺めたあと,自分もためしてみたいとおもい,水着を脱いで,空きのある蒸しぶろの部屋に入ってみた.ここではタオルをまとっていた人は下に引いて,その上に座っている.裸になってわかるが,ドイツ人はアメリカ人と違ってデブな人が少ない.年をとっている人でもそれなりにスタイルが維持されている(もっとも中高年の男性の腹は出ているが).若い女性でもけろりと前をだしているが,こうなるといやらしさも何もない.いろいろな効能の部屋があるようで,それぞれの入り方,冷たい水での体の冷まし方,おすすめの順番などが書いてあるが,何しろ読めない.適当にいくつか入りながら1時間くらいすごした.
帰りがけ,運転しながら改めてドイツという国の成熟度の高さを感じた.とにかくみんな大人である.道路を走るときも風呂にはいるときも,それぞれの判断にまかされている.日本のようにいろいろな規制が入ることもない.日本なら,やれ制限速度だ,男女がいっしょの場所に裸ではいるのはまずいだ,いろいろとうるさい声が上がる.でも一人一人がしっかりとした判断力と適切な行動がその場その場出回りにあわせてとれれば,そんなに騒ぎ立てなくてもうまく行くのである.そういえば,2年半前最初にドイツに来たとき,駅で切符の確認をしないのに驚かされたが,それもそうした「放任主義」の現れなのかも知れない.
でも考えてみれば,日本も江戸時代は男女混浴だったらしいので,そういう意味では日本は昔のほうが成熟度はたかかったのかもしれない.今そういうことをしたら,とんでもない事件が多発することになるだろう.