自分とほぼ一年誕生日が違う山崎直子さんの乗るスペースシャトル、ディスカバリーが打ち上げ成功して、まずは嬉しいです。自分も小さい頃宇宙戦艦ヤマトやガンダムを見て興奮し、カール・セーガン博士のコスモスを見たり、ボイジャーが送ってくる画像を見て、宇宙に行くことも憧れました。実際に小学校の卒業アルバムの「将来の夢」欄には「スペースシャトルの乗組員になりたい」とかいうように書いた覚えがあります。しかし、結局宇宙に行くことよりも宇宙を司る仕組みや構造のようなものが知りたくて、物理を学び、素粒子実験へと進んでいきました。そんなわけで、純粋に子供の頃からの夢をおい続けた山崎さんには本当にすごいなあと畏敬の目で見てしまうとともに、心からミッションの成功を祈るばかりです。
NASA へのあこがれも小学生の頃は結構強かったですが、大人になるにつれてだんだんと薄れていきました。

ですが、就職してから NASA の人と関わることができたのはラッキーだったと思います。近くにあった NASA Ames Research Center が製品を買ってくれたお陰で、NASA の人といろいろと話すことができました。


興味深かったのは、彼らの目からすると、今の最新の技術と蓄積されたノウハウを用いれば、現在のシャトルよりももっと安全で確実なミッションが可能なのだが、人々が臆病で保守的になってしまったので、1950年から60年代の主流な設計が元になったシャトルに頼らざるを得ないのは残念だということでした。実際、コックピットの真後ろに配管がごてごてと詰まっているのは当時としては流行の技術だったが、今じゃ考えられないことだということも、エンジニアの人が話してくれました。

火星探索の話題についても面白かったです。2000年代の中頃に火星探査機が各国から相次いで打ち上げられ、様々な成果をもたらしていましたが、単に地球圏外に出ることよりも、さらには月にいくことよりも、火星に行くと言うのは遥かに難しくて、成功率は実は10%から20%しかないと言うようなことをもう一人いた NASA の人が言っていました。それだけ移動距離が長くなる上、通信にタイムラグが発生するので、困難さが増してくると言うことです。たとえばトラブルが発生したら、地球の基地局と更新せずに、自力で解決できるような仕組みが必要となってくるので、それだけ大変なミッションとなるわけです。
なんだかこの30年で、宇宙開発と言うのはそれほど進んでおらず、むしろ地上におけるコンピューターやインターネット関連の技術の方が遥かに進んでいるなあと言う気がします。30年前だったら、今日のように、帰りの電車の中で iPhone を片手に Ustream で、シャトルの打ち上げの様子を見るなんて言うことは全く考えられず、ドラえもんの世界の話でしかありませんでした。一方、スペースシャトルコロンビア号が飛び始めたときは、将来はきっとすごいガンダムに出てくるような宇宙ステーションやコロニーかなにかができるのではと期待を寄せていましたが、実際に今実現しているのはそれに比べると遥かに規模の小さい ISS になっています。 (それはそれですごいことではあると、大人になった今では思うのですが)
象徴的なのが、シリコンバレーで、かつては NASA の敷地だったところが次から次へとコンピューター関連の会社にとってかわり、今ではそこが Google キャンパスになっていることです。気づいたら自分もコンピューター上でのソフト関連の仕事に就くようになっていました。
それだけに、山崎さんがご自身の夢を追い続けて、実現されていると言うことは本当に感慨深く、自分のことのように喜ばしく思えてしまいます。
