伊豆海洋公園にダイビングに行って来ました。11月に入って寒くなって来ているにもかかわらずと思いきや、実はこの時期はダイビングにはとてもいい時期です。というのも、まず海水温がそれほど下がっていないということがあります。陸地の気温に比べて海水温はだいたい2ヶ月遅れのサイクルになるので、8月から9月の気温のピークに対して、10月から11月にかけて海水温のピークがくるということになります。ということは、今の時期はまだ海水温がそれほど冷えておらず、気温が寒くなったからと言って、海の中は冷たいかと言うと、そうでもありません。二つ目の理由は、夏に比べて透明度が上がることです。夏をすぎると水中のプランクトンの活動が低下していること、およびそもそも砂を巻き上げやすい海のレジャー活動がすくなくなることで、夏では考えられないような透明度を楽しめます。
また、個人的には9月にアメリカに行った際に購入した7mmのフード付きのウェットスーツを今シーズン中に試しておきたいという気持ちもありました。
そんなことから、ネットで東伊豆のダイブ屋さんを探し、数あるお店の中から何か特徴的なところはないかとみてみたところ、店の建物を自分たちで建てたという Yellow Fin というお店があることを知りました。こういうところならば、何か期待できると思い、早速予約し、行ってみることにしました。
大船駅7時発の東海道線に乗り、熱海駅で伊豆急行の電車に乗り込むと、既にダイバーのものと思しき大きなダイビングバッグがたくさん車両のデッキに並んでいました。それでも発車20分前についたときはまだ席があちらこちらに空いていたのが、発車間際には満席で経っている人々も多く見られました。
9時にちょうどに川奈駅で降りると、店から迎えの人が来ていました。S さんという丁寧で腰の低い方でした。この方が後にガイドをしてくれることになりました。


車で10分もかからないうちに店に着くと、いかにも自分たちでこしらえたような、手作りの匂いがプンプンする建物が並んでおり、なかなか興味をそそられます。中には昭和の初期に走っていた電車の車両があるのにはびっくりしました。
申込書に必要事項を記入し、今日の行く場所を聞いてみると、伊豆海洋公園ということでした。海洋公園でははるか昔に一度潜ったことがあるような気がしますが、記憶が定かではありません。必要な器材を車に詰め込み、貴重品は預けて海洋公園へと向かいました。





海洋公園はまさにダイバーのために造られたといわんばかりの施設の充実ぶりにはびっくりしました。カメラを水につけて塩抜きをする場所、器材を洗う場所、温水シャワー施設、ウェットスーツのままで入れる風呂、更衣室、トイレ、売店、休憩するためのテーブルと椅子、エントリー箇所にあるタンク置き場、エントリー箇所に設けられたロープ、潜降するためのブイ、エキジットのためのロープなど、至れり尽くせりの充実ぶりです。そんな公園の中を、やはりこの時期の海況を知っている人々が多いのか、ダイバーたちが埋め尽くしています。


これはすごいと思いながら水着に着替えてウェットスーツを着て準備をしていると、マスクとシュノーケルを忘れたことに気づきました。どうもマスクとシュノーケルというのは、忘れる頻度が高く、既に3セットも所有しているのですが、また忘れたと思うと自分の愚かさに嫌気がさしてくる思いです。ガイドの S さんにマスクとシュノーケルを忘れたらしいと告げると、どこかからか、レンタル用のものを一セット持って来てくれました。
一本目: 伊豆海洋公園一の根
天候: 晴れ
気温: 19度
水温: 23 度
潜水時間: 45 分
カレント: なし
透明度: 15 m
エントリー: 10:45
エキジット: 11:30

エントリー箇所まで行くと、波が結構高く上がっているのが見えました。それを認識した瞬間に、ここは以前潜ったことがあるぞと、はるか昔の記憶が蘇りました。たしかあの時は雨が降っていて散々なダイビングだったせいか、ほとんど何も記憶に残っていません。当時は海洋公園にはこんなに立派な施設も無く、特になんの印象も持たないまま、潜ったことすら忘れてしまうという状況です。当時は浮力コントロールができず、エアー切れも起こしやすく、ダイビングを楽しむどころではなかった時期です。
潜降まで移動し、息を整えた上で、潜ろうとしましたが、なかなか沈むことができませんでした。やはり7mmのウェットスーツの浮力は予想以上に大きく、つけていた5kgのウェイトではなかなか思うように沈めません。とりあえず着底して S さんから1kgのウェイトをもらって、ようやく姿勢が整いました。



潜降後は南に向かって移動しました。まずは水面付近に群れているキビナゴをイナダが食べる様子を見て、その後メジナ、ミギマキ、ハコフグ、キンギョハナダイの群れ、サラサエビ、キンチャクダイ、キタマクラ、ニザダイなどを見ながら進みました。また、伊豆では珍しいといわれるツノダシ、ダイダイヤッコの雄などを見ました。もっともツノダシなどは伊豆では珍しいと来るたびにいわれているので、自分としてはあまり珍しいと感じません。

折り返し地点に差し掛かるあたりで、体長70cmくらいのコブダイを見ました。結構近くまで寄って来てくれて、グロテスクな表情をカメラに収めることができました。

珍しく、カワハギが群れている様子も見ることができました。
折り返し地点付近で、なぜかカメラが動作しなくなり、液晶が表示されたままの状態になってしまいました。妻がこのカメラはたまにフリーズしてしまうと嘆いていましたが、まさにこんなときになって欲しくない症状に見舞われてしまいました。いろいろとボタンを押してみましたが復帰する様子も無く、どうやら陸地に上がってバッテリーを入れ直すことでしか解決しないようです。これ以降の写真撮影は諦めることにしました。
その後はクマノミやカクレエビ、ケサガケベラの幼魚、マルクチヒメジ、ニラミギンポ、イソギンチャクエビなどを見ました。
エキジット前にオビテンスモドキとイロカエルアンコウを見ましたが、この時もカメラがフリーズしており、写真に収めることができず、悔しい思いをしました。
休憩時間に、本来ならあまりやりたくないことですが、カメラの水中プロテクターを開いてカメラのバッテリーを入れ直し、フリーズ状態を解除しました。家に帰ってからファームウエアアップデートをしなければなりません。
休憩中は、お弁当を食べながらゆっくりと S さんとしゃべったり、周囲の景色を写真に収めたりしながら2時半まで過ごしました。
二本目: 伊豆海洋公園ブリマチ
天候: 晴れ
気温: 20 度
水温: 23 度
潜水時間: 49 分
カレント: 弱
透明度: 15 m
エントリー: 13:53
エキジット: 14:42
このポイントは、その名のとおり、ブリが出るのを待つ場所ということで、うまく行けばカメなどの大きい生物も見られるということです。なにか大物は見られるかと、期待しながらエントリーしました。


エントリー直後、ボラとイカが泳いでいるのを見ました。結構長い距離を移動しながら、タカノハダイ、ミギマキ、スズメダイ、オオスジイシモチ、ハコフグなどを見ました。




目標としていた根に着くと、キンギョハナダイやルリスズメダイ、ネンブツダイ、キビナゴなどの群れが大変美しく舞う様子が見られ、しばしみとれました。そうした光景をみながら、岩の間のサラサエビをカメラに収めたりしました。
エキジット後は、ウェットスーツのままでシャワーを浴びて身体を温め、器材を洗って片付け、スーツを脱いで洗ってからシャワーを浴びて、身支度を整えました。何もかも海洋公園内のビーチ付近ですますことができて、大変便利です。
店に帰り、ログ付けの際に撮った写真を iPad にいれて店の人に見せると、大変喜ばれました。
総評
10年以上前、オープンウォーターのライセンスを取った後しばらくは、伊豆で潜ったり海外のリゾートで潜ったりを繰り返し、伊豆は海外に比べるとあまり魅力的でないと思うようになっていました。ところがその後アメリカに住み、海外で潜った後、伊豆に帰ってくると、先日の雲見のときもそうでしたが、魚影の濃さに大変驚かされ、細かい生物も含めて、生態系の多用さにも圧倒されました。今では実は伊豆の海も結構魅力的ではないかと思うようになりました。陸上のダイバーのための施設も大変充実しており、帰るときはすっきり気持ち良くリフレッシュした気分で帰宅できます。また、電車で帰れるので、運転に気を取られること無く、こうしてテキストを入力することも可能で、改めて伊豆でのダイビングのよさを認識することができました。季節柄透明度もよく、海の状態はかなり良かったです。
今回利用させていただいたお店は、自分が既に減圧症をやっていると告げると、それを考慮して安全にコース取りや時間配分、水面休息をとってくれて、安心してダイビングを楽しめました。さすがに自分たちで店の建物をこしらえるだけのことはあります。気合いと思い入れがダイビングスタイルにも感じられました。今回のダイビングの様子も、ウェブで公開していただいてます。
初めて使用した7mmのウエットスーツですが、十分に保温効果があり、22度の海ならば寒さを感じることなく潜ることができることがわかりました。もうちょっと寒くても行けるかもしれません。
前回の雲見のときは、いつものリゾートのダイビングで使用するマレスのアヴァンティクワトロパワーというフィンを使いましたが、これは裸足に履くフィンで、正直伊豆の海では寒いと感じました。今回はその反省をふまえて TUSA のブーツとフィンを履いて潜ってみましたが、今度はいつもの通りのキックでは推進力が得られず、そのせいか空気の減りもいつもより早くなりました。
ということで、満足のいくリフレッシュができました。