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Archive for the Category "Books"

1Q84 8月 29

村上春樹氏による、1Q84を3冊読み終えました。読んでいる間にいろいろと思うところがあったので、つらつらと書いてみたいと思います。

物語の所々に、1984年に起きた出来事が紹介されていますが、一方でこの本ならではの事象も出てきます。村上春樹氏は実際の出来事も架空の出来事もどちらも詳細な描写で、巧みに記述しているので、読んでいるうちに現実とフィクションとの境界がいつのまにかおぼろげになっていきます。そうしていつの間にか、主人公と読者が、この小説で特徴的な、月が二つ出ている世界に入り込んでいきますが、他の全ての記述はあたかも事実を語るかのごとく、きわめて精巧な描写がなされているので、現実と架空の差がわずかしか感じられない、少し不思議な感覚にみまわれます。そういう意味では、藤子F先生の SF (少し不思議) の世界に通じるところがあります。すなわち、日常生活からちょっと変わった、少し不思議な世界が、マンガと小説という違いはあるにせよ、どちらも共通した世界感を描いていると感じられます。

と思っていたら、著者が実際にそのことを語っておられます。

米同時テロ動機に「1Q84」執筆…村上春樹氏
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20100824-OYT1T00135.htm

特に、氏が述べられている

平凡な主人公が非日常的な出来事に巻き込まれる物語が多い

という部分は、まさに藤子F先生の描く世界と共通するところで、平凡な主人公の日常に、ネコ型ロボットが突然やってきたり、オバケが現れたり、エスパーを駆使する人が現れたりしています。そんなことからか、今回始めて村上春樹氏の作品を読んだのですが、違和感なくすんなりと読めました。

また、この作品の中で、自分にとってなじみの深い地名が出てきたことで、ますます親近感が沸いてきました。世田谷で生まれ、市川市の公立小学校に4年生まで通っていて、祖母が一時期高円寺に住んでいて、よく訪れたこともあり、描かれる世界に親しみがわきました。

さて、自分自身の過ごした1984年と言えば、ちょうど洋楽を聴き始めたころであり またロサンゼルスオリンピックが行われた年ということもあり、アメリカを強烈に意識した年でした。強いアメリカの復活を訴えたレーガン大統領が再選したのもこの年ですし、スペースシャトルの打ち上げが順調に行われていたのもこのころでした。小学生から中学生に上がり、英語が授業で行われるようになったこともあり、FEN を聞き始めたのもこの頃からでした。

1984年当時よく聞いた曲がなつかしくなり、この本を読んでいる間によく BGM として聞きました。以下アルバムを並べておきます。

1984 – Van Halen
Overnight Success – Teri DeSario with Joey Carbone & Richie Zito
Chicago 17 – Chicago
Colour By Numbers – Culture Club
Caught in the Act (Live) – Styx
99 Luftballons – Nena

HP CEO 辞任 8月 07

朝起きてメールをチェックしたら、HP CEO の Mark Hurd 氏が辞任するというニュースが入ってきました。

HP CEO Hurd resigns over sexual harassment investigation
http://news.cnet.com/8301-31021_3-20012944-260.html?tag=nl.e498

2005年の就任以来、HP の業績を上昇させてきたといわれる彼ですが、前任の Carly Fiorina 氏が次から次へと着手した改革や戦略が彼の任期中に花開いたという方が正しい認識なのではという気がします。今思い返してみて、どうも Hurd 氏が何かやったという業績が思い出せません。もっとも Fiorina 氏の時は、自分がまだ HP 在任中に起きた CEO の交代劇があり、その後はマスコミの彼女の様々な行動を追っかけていたおかげでいろいろと取り組んだことが未だに思い出されます。ところが、Hurd 氏が就任してからは、EDS の買収や、DELL を抜いて PC の売り上げが世界一になったということは覚えているのですが、ほかに何があったかどうしても思い出せないのです。

記事タイトルには、セクハラと出ていますが、HP の取締役会が下した判断は、社内の倫理規定に反するというもので、そういえば自分が新卒で入社したときは、「SBC に反する」というような言い方をよく聞いたことを思い出しました。

2006年のCarly Fiorina 氏の出版記念サイン会の時に、彼女が Hurd 氏とは一回同年の4月頃に食事をして話をしたと話していました。なんだか社交辞令的に「スマートな人だ」というような言い方をしていたのを思い出します。

[追記]
Mark Hurd 氏の重要な実績を一つ思い出しました。Mercury 社の買収です。

日本が内向きになっている一つの例 8月 04

iPad や Kindle の人気が高まり、電子書籍が急速に出回るようになっている中、次の衝撃的な記事を読みました。

電子書籍でも失敗を繰り返すメディア業界の「ガラパゴス病」
http://ascii.jp/elem/000/000/544/544407/

日本国内でしか通じない独自フォーマットを作っても結局は使われなくなるというのはもう何回も目にしてきて、さんざん懲りているかと思いきや、まだまだこうして悲劇が繰り返されようとしているようで、とても残念です。XMDF などというフォーマットは、非公開で日本でしか使われていないのにもかかわらず、これを日本の大手メディアと製造業メーカーが支持するというのはなんだかとても信じられない思いです。

本記事の中にある

メディア企業が「文化」を口にしたときは、たいてい「既得権」と翻訳した方がいい。この場合も「出版業界のインフラをおさえてきた印刷業界の既得権を外資におかされたくない」と言い換えると意味が通じる。

という記述、納得できます。結局はコンテンツの受け手側よりも供給側の都合を考えた発想になってしまっており、それ自体がやがて自分たちのみを滅ぼすという歴史から学ばれていないという気がします。どうして、アップルでも使われ、世界標準となっている EPUB が使われなかったのか、その判断基準に疑問を抱かざるを得ません。

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市場への自然科学的アプローチ 8月 02

ニューヨーク・タイムズで市場に対して自然科学的なアプローチをとる手法が紹介されていました。

A Richter Scale for Markets
http://www.nytimes.com/2010/08/01/weekinreview/01dash.html?_r=1

日本でも「経済物理学」と称される学問ですが、非常に興味深いです。自然科学の本質を、過去に起きた事象から帰納的にある法則や定理を導き出し、それを演繹的に未来に起きうる事象に当てはめ、未来に起きることを予想する、ととらえると、まさにここで述べられている手法は、これまでの市場の動きをモデル化して、未来の市場の動きを予想しようという点において、きわめて自然科学的なやり方だといえます。

以前実は「経済物理学の発見 (光文社新書)を読んで、ちっともわからないと思っていた経済学のことが実によくわかると思えたことがあります。今回のニューヨーク・タイムズの記事を機に、また読んでみたくなりました。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら読了 8月 01

韓国出張中の空き時間を利用して、もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらを読み終えました。日本にいる間に、iPhone アプリを取得しておいたのですが、電車に乗った時間などのちょっとした移動の際などにすらすらと読めました。

都立の進学校の女子生徒がマネージメントの本を探しているうちにドラッカーの著名な本に出会い、書かれていることを所属する野球部において実践していくうちに、部員の心構えが変わり、闘争心と競争心が生まれ、周囲の人々にも影響が波及し、部の目標が明確化するにつれて、様々な人々が急速に成長する姿が描かれており、スピード感があってすらすら読めました。

どうせなら、ドラッカーの元の本も iPhone アプリで読めたらと思います。

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竜馬がゆく 7月 20

去年亡くなった祖母の家を掃除していたら、大量の本が出てきて、ほとんど処分したのですが、『竜馬がゆく
』だけはおもしろそうだとおもい、確保しておいていつか読もうと思っていました。

今年に入ってしばらくたってから読み始め、つい最近読み終わりました。読んでいる途中で、様々な思いがよぎり、このエントリーだけでは書くことができません。ただ一ついえることは、舞台となった江戸時代末期から150年が経つ今、実は日本人というのは変わっておらず、未だに江戸時代のままの心理状態が続いているのではという思いです。このあたりは追々書いていこうと思います。

作者の司馬遼太郎氏は、本当に竜馬の生涯を鮮やかに描いています。土佐の幼少時代から始まり、江戸での修業時代、その間にやってきた黒船とそれに反応する人々の描写、江戸での竜馬の成長、その間の土佐藩での動き、さらには佐幕派と勤王派とのかけひき、移ろいゆく世論、薩長の動き、英仏の動きなど、あたかもタイムマシンに乗ってその時代を見てきたかのように書いているのは、驚異的とすらいえます。書かれたのが今から50年前で、すでに幕末から100年が経ち、当時の面影がずいぶん薄まる中、地道に資料を集め、伝聞を拾い、よくこれだけのボリュームの書き物を起こしたものだなと感心せざるを得ません。

別に大河ドラマで龍馬伝をやっているからというわけでもないですが、おすすめしたい本です。

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拝金 7月 01

ホリエモンこと堀江貴文氏による『拝金』を読みました。ゲームセンターでたむろしている若者が、ひょんなことからゲーム会社を設立し、会社を大きくしていくという成長過程が実にテンポよく描かれています。

堀江氏の実体験とフィクションの部分が入り交じっているということで、どこに彼の実体験が書かれていて、どこまでがフィクションかを想像しながら読むのも楽しいです。マスコミを通してでは決して味わうことのできない生々しい描写も、彼の実体験をもとにしているからできることであり、今の自分とは違った世界がこのように繰り広げられているのかと、目から鱗が落ちるような気持ちになりました。

また、読者にあたかもロールプレイングゲームを楽しむかのように主人公の成長する様子を味わってほしいという、著者の思いも見事に反映されていると思いました。ゲームセンターをうろうろしているフリーターから一気に IT 長者の仲間入りをし、派手な生活を送り、行動が目立つようになるとマスコミからたたかれ、ついに逮捕されるという展開は、当の本人でないと書けない要素が多くちりばめられており、読めば読むほど先が気になり、一気に読みたくなるような躍動感にあふれています。

さらに、Twitter においてもこの本に関する多くの「つぶやき」があり、なかには本の中でモデルとなった人物が読んだあとコメントしているのも見られます。

Mobilebook.Jp,Inc. より、iPhone や iPad でも読めるアプリとしても販売されています。

のめりこみ 2月 21

のび太がジャイアンに殴られると、拳が顔面にのめり込むシーンがたまにありますが、みかんでそれを再現してみました。やわらかいみかんの皮だからこそ、指が入り込むとともにしわが入っていますが、人間の顔だと、骨があるので実際にはここまで拳がのめり込むことはあり得ませんね。だからこそ特徴的で、印象深く、面白いシーンなのでしょう。

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未だ鎖国中の国!? 2月 20

日本に帰ってきて半年が経ち、何となく違和感を感じて生活していると、ちょうどその説明として「我が意を得たり」とおもうようなブログのエントリーを、海部美知さんが書かれていました。

パラダイス鎖国な人々に忍び寄る「ゆるやかな危機」
http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20100220/1266654642

シリコンバレーに住んでいるからこそ見える日本の危機を、海部さんがずばり指摘しています。数ヶ月前までは同じような目線で自分も見ていた上で、今の日本での生活を送っているので、彼女の言うことが非常によくわかり、納得がいきます。

彼女の場合、ご専門の携帯市場や今何かと話題の自動車について主に語っていますが、これらだけでなく、住み始めてみるといろいろなところで日本独自の動きみたいなものがみえてきます。それでなくとも、なんとなく、自分がアメリカに約6年間住んでいて当たり前だと思っていたことが、日本では当たり前でなかったり、その逆に日本では当たり前のことが、外国では当たり前でなかったり、「まさかそうはならないだろう」と思うと実際にそうなったりということがよくあります。

たとえば、アメリカのかなり多くの週や EU 全体ではもう既に公共の場や飲食店での喫煙は禁止されていますが、日本ではまだ多くの場所が煙たくなってしまっています。(もっとも、日本でも受動喫煙をなるべく抑制しようという動きは出ているようですが)欧米市場ではすっかり見なくなった折りたたみ式携帯電話が日本では主流です。シルバーシートの周りで携帯電話の電源を切ってくださいと言う主張も日本だけです。携帯電話が原因で、ペースメーカーが誤作動したというような情報は、グーグルでちょっと検索してみると未だに存在せず、「かもしれない」というような指摘は、1997年から現在に渡って繰り広げられているようです。

別に日本のやり方が優れているとか劣っているとかいうつもりはありません。ただ、あまりにも日本独自のやり方に固執していると、やがて世界の潮流からおいていかれるのではと言う気がしてなりません。海部さんが懸念されている携帯電話の分野もそうですが、日本のメーカー製の商品は海外で見かける機会が減りつつあります。かつては海外でも見られた日本メーカー製のパソコンは、今では東芝と Fujitsu Siemens くらいになってしまいましたし、テレビもだいぶ日本メーカー製の割合が減ってきました。結構深刻な事態に入ってきているのではという気がします。

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ガラクタ捨てれば自分が見える 2月 19

ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)を読みました。昨年アメリカから日本に帰ってきた後、横浜に住み始め、その際にかつて住んだ大阪や相模原で使っていたものももってきたため、過去10年以上のさまざまな土地で取得したものが家の隅やロフトにたまっていたところでした。徐々に整理していらないものは近くのハードオフに持って行ったり、捨ててしまわなければならないなあと思っていたところ、妻がこの本を買ってきたのでした。

読んでみると「確かに」と納得することが多かったです。モノがたまることによって、掃除が億劫になり、その結果さらに汚れがたまりがちになるということ、普段から整理してモノをあるべきところにきちんとおいておけば、ほしいときにぱっと取り出せるはずが、適当な場所においておくと見つからず、余分にモノを買ってしまうということがおきてしまうこと、そんな風にモノがたまってさらにレンタルスペースなどを借りて余分なお金を使うというのは実にもったいないという指摘など、普段から自分がなんとなく感じていたことが書かれていました。

人からもらったものや、思い出深いものなどもずっと使っていないのであれば、旬は過ぎたと判断して、誰かに譲ったり捨てたほうがよいというのは納得がいきます。

せっかく近所にブックオフとハードオフがあるので、この際たまったものを少しずつ売りに出そうと思いました。