朝起きた後、体がだるい気がした。昨日はチェンバーに入った後、妙に気持ちが高揚して、すっかり良くなった気分になったが、今日はその反動がきたのか、身体全体が妙に重苦しい。しかし腕の違和感やだるさはない。
予定では、今日がチェックアウトであり、North Carolina 経由サンフランシスコへの帰宅の日である。しかしフライトは少なくとも月曜日まで待たないといけない以上、後二日は滞在していなければならない。今日の予定を立てようにも、10時に医者にあった結果次第では、またチェンバーに入るかもしれないし、そのまま解放してくれるかもしれないし、どうなるかわからないので、計画のたてようがない。
Dive House に、昨日の診断および治療の報告に行ってみると、けいこさんがいたので、今までの経過と今の状態を簡単に述べた。彼女は昨日ほかのスタッフより噂で自分が減圧症にかかったことを聞いたということで、かかった当日のダイビングも問題なかったと、ダイブマスターがいっていたし、けいこさんと一緒に潜っていた連日もきちんと安全停止や浮上ができていたので、問題ないと思っていたので、なんでと思ったと話してくれた。きっといろいろと一つ一つは軽微に思えるが、積み重なることによって、事故につながる結果になったのではないかと自分の感想を述べると、彼女も納得してくれたようで、同情といたわりの言葉を投げかけてくれた。こういうとき、やはり自分の母国語で自身の健康状態をいたわってくれる言葉をいただけるというのは、本当にありがたいことだと思った。
昨日 Chedraui で調達した朝ご飯を食べた後、予約していた10時に医者に行ってみた。病院についてからしばらく待たされたが、なんだかとても緊張していた。ちょうどテストを終えた後、合格発表を待つ間のような感覚だった。「もう一度チェンバーに入ることになったらどうしようか」とか、「たとえ今日診察が終わっても、月曜日に滞りなくサンフランシスコに帰れるのだろうか」とか「通常通りの生活ができるようになるのはいつになるのだろうか」とかいうような思いが頭の中をよぎっていった。
治療終了
Padilla 先生に会い、昨日と違って今日は体全体がなんとなくだるいような気がするということを告げた。初日にやったのと同じ触診による検査や、反射をみる検査では、特に異常が見られず、めでたく診療終了となった。しかし、体の表面上は何ともないように思えても、体内ではまだ治療のプロセスが続いているので、初日に伝えられた指示、すなわち、アルコールやカフェインは取らない、タバコはだめ、炭酸飲料もよくない、直射日光はなるべくさける、熱いシャワーには入らない、激しい運動は避けるべき、たくさん水を飲んだ方がよい、などの注意事項は守った方がいいといわれた。実際に、時折体のあちこちに何かかゆみや痛みや違和感を感じるようであれば、それらは体の内部での治癒のプロセスが表に現れている証拠だ、というようなことを教えられた。帰りのフライトについても、最後のチェンバーでの治療から、およそ 72 時間後ということで、月曜日には飛行機で飛んで問題ないということだった。
エルネストが診断書について説明してくれた。治療が終わったということで、彼らがこれから作成したものを保険会社に渡す訳だが、これに間違いがあるとややこしいことになるので、念入りに確認してほしいという。ふと見ると、自分の誕生日や治療を受けた日付が間違っている。修正をお願いすると、できるのが今日の夕方になるという。
ようやく病院から解放されたという嬉しい思いはあるものの、完全になおった訳ではないからか、晴れ晴れしい気分というわけにはいかなかった。というよりも、休暇全体の疲れからか、今回の減圧症をわずらったというショックからか、昨日の出費のどでかさに気を病んだからか、疲れたという気がした。あまり積極的に体を動かしたり、新しいことをしたいという気分ではなかった。
コズメル博物館
ふと、ダウンタウンにコズメルの博物館があることを思い出した。ここなら冷房も入っているだろうし、そんなに体力を使わなくてかつそれなりに興味深いものがみられるだろうと思い、タクシーで行ってみることにした。なんのことはなく、病院から数ブロック離れたところに博物館はあった。しかし体力の落ちている中、こういったタクシーの使い方もよかろうと思うことにした。
博物館はコズメルの島全体に関する生態系、地形および歴史が学べるようになっている。島の生態系を守るために開発区域とそうでない区域を明確に分け、きっちり自然保護にとりくんでいることや、マヤ文明の紹介、さらには島の東側に沈んだ船の調査のために20世紀はじめに使われた潜水器具の展示など、小さいがそれなりに興味深い展示があった。途中で、地元のメキシコ人の家族から、女の子と写真を撮って欲しいと頼まれた。ちょうど我々も幼い頃、日本であまり見られない人を見ると、珍しがっていた時期があったが、我々夫婦をみて、彼女もそういうようなものを感じたのだろう。
昼食
博物館に行った後、お腹がすいてきたので、前から気になっていた Midori という寿司屋に行きたいと思った。ここは先日 Wyndom のツアーで会った Alex が勧めていた店である。しかしいざ行ってみると、一目でこれは日本人がやっていない寿司屋の典型だということがわかった。赤くけばけばしい看板に怪しいフォントで書かれた Midori という文字、それに出前用のバイクには変な顔をして足にサポーターをはめた力士がどんぶりに箸のようなものが刺さった絵が描かれている。とりあえず写真だけとって、その場を去り、すぐ近くにあったメキシコ料理屋に行った。メキシコ人も入っていたので、そこそこいけるかと思っていたが、まあまあの味だった。
予約変更
ホテルに帰り、なるべく早いうちにと思い、Continental のコズメル事務所に電話して帰りの航空券の手配をしようとした。あいにく当初予定していた US Airways の North Carolina 経由の便は、土日しか飛んでいない。そこで、単に当初のフライトの変更で収まる話ではなく、新たにチケットを購入しなければならないということだった。それならばネットで安いものを選んだ方がいいと思い、ロビーに行ってネットに接続して最安値の便を探そうとしたが、結局さっき電話で紹介された Continental の便が一番安くてかつ搭乗時間が細小になるので、二人分の片道切符を買い、さらにその場でホテルの再延長の予約を行った。今度は Orbitz の値段が $83 から $110 になっており、ホテル側の通常価格とかわらない。他をあたると Travelocity が $83 の値段を出していたので、これを購入した。
ビンゴゲーム
購入が終わるや否や、ビンゴゲームがプールサイドで始まるところだった。まあその場にいたついでにやってみるかと参加してみたところ、思わず自分が一等になり、Chankanaab 国立公園での Dolphin Swimming のチケットがあたった。さっそくこのことを部屋に帰って妻に知らせると、やってみたいとのことだった。そこで、明日の10時のものを予約した。
買い物・夕食
予約した後、疲れたので少し昼寝をしたら、夕方になって空腹になった。妻は食欲がないという。ちょうど診断書の修正結果が気になるし、ホテル以外で何か食べたいという気がしたし、明日朝食に食べるものがないので買い物した方がいいと思ったので、一人でダウンタウンに行くことにした。まず修正された診断書を病院で受け取り、次に Chedraui に行く途中でなにかうまそうなレストランが見つかったら入ろうと思った。実際には見つからず、Chedraui にそのまま着いてしまった。例によってパンと果物と水を調達し、前から気になっていた Chedraui の奥の方にいってみることにした。
Chedraui の奥には、映画館があり、ちょっとしたショッピングモールのような形になっている。一通りの店を眺めた後、地元メキシコの料理を出すという閑散とした La Isla という店を選んでみた。ここで、6番の、セットを頼んだ。ゆでたジャガイモの上にチーズと豚肉を刻んだものがまぶしてあり、それにグアカモーレとチップが添えて出てきた。これが非常においしく、まさに自分が目指していたものだとおもった。値段も $4 ときわめて庶民的で、コズメルにきて以来、初めて安くて庶民的でかつおいしい料理に出会った気がした。しかし残念ながら、その隣の Burger King の方に人があふれていたのはいただけない気持ちがした。ドイツに行ってもメキシコに行っても、地元のおいしい料理を出す店には人が集まらず、アメリカ産の大しておいしくないチェーン店がはやるのを見るのは悲しい思いがする。
この調子ならと思い、近くにあったアイスクリーム屋にも挑戦してみた。ここで $2 のバニラアイスを食べてみたが、これがまたおいしかった。本当にコズメルにきてから、事前のチェックなしで入った店がどこもおいしいものを出してくれるのは本当にうれしい。スーパーで何気なく買うお菓子もおいしく、少なくとも食の充実度に関しては、平均的なアメリカの都市よりもコズメルの方が遥かにレベルが高いと思った。
ホテルに帰った後、診断書を確認してみると、結構間違いが多かった、日付が July ではなく、January になっていたり、自分の体重が 90kg と記載されていたり、ダイブプロファイルが間違っていたりと、ひょっとして過去の誰かのデータを修正し忘れているのではと思われるところが多数あった。こんなにたくさん修正箇所があると、電話やメールでは伝えられないので、明日直接病院に行って、修正してもらった方がいいと考え、今日は寝ることにした。
















