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  • こころ

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    iPhone の豊平文庫というアプリを使うと、青空文庫にある本が読めるようになる。これは便利で、iPhone さえポケットに入れておけば手ぶらで外出でき、電車の中などですっと iPhone を取り出し、豊平文庫を立ち上げ、読みたい本を読むことができる。豊平文庫により、それこそ源氏物語や明治、大正、昭和の文豪の作品、および最近発表された作品まで、数多くの書物がダウンロードできるので、大変便利である。日本の App Store で買うと、450円だが、アメリカの App Store で買うと $3.99 なので、アメリカでアカウントを持っている人にはこちらがお勧めである。

    青空文庫にはもちろん夏目漱石もある。高校時代から浪人時代および大学に入学した時期に夏目漱石をひたすら読んだ時期があった。中でも感動したのが『こころ (集英社文庫)』で、漱石が主人公および「先生」の心の動きを非常に丁寧に克つ繊細に描写していたのが印象的だった。あれから20年近くが経ち、再び読みたくなったのでちょうど良い機会と思い、こころをダウンロードして読んでみることにした。

    昔読んだときは登場人物の心の移り変わりの描写に非常に強く感動したもので、実際今回読んだときもやはり細やかで丁寧な心情の記述には、大変感銘を受けた。だが、今回気づいたのは、明治から大正への時代の移り変わりや、近代化していく東京の姿、および旧態依然とした田舎の生活習慣といった、外部要素が登場人物の内面にどう影響していくかを鮮明に描いた漱石の手腕のすごさである。自分でブログを書くようになって、書くことの難しさを改めて感じている訳だが、人々の内面に対して外的刺激がどう影響しているかを細やかに描写していく彼の文章力には、圧倒的な情報伝達力があると思った。

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